『星々のかけら』3

1と2でお話してきたように、人生には光も闇もある…という観察から生まれた曲集です。 というわけで、収録されている曲想も幅広くなっています。 私たちは幸せと言ったら幸せ一色、穏やかなものは穏やかなもの同士、激しいものは激しいもの同士で集合するものと思いがちですが、やはり人生はそうは行かない一筋縄な所があり、むしろ両極端のものが渾然一体となっているからこそ、真実だと感じられるのではないでしょうか。 喜びの土台は悲しみだと思いますし、希望の土台は絶望だと思います。 悲観的、スパルタ的なことを言いたいのではなく、「だからこそ、分かる」というのが、私たちの知性の傾向、そして限界なのだと思うのです。 だから、怖いことや辛いこと、悲しいことを、拒否してはいけませんね。 それらはすべて喜びに至るための道なのですから。 そういったことを理屈で分かろうとするのではなく、「だよな…」と歌から感じて頂けたら嬉しいです。 それこそが音楽の力だと思いますから。 最後にもう一つ。 二つの子守歌はまどかのために書いたものですが、そのとき、こんなふうに思ったものです。 穢れなき魂そのものである子供に対して、この世の塵芥を既に久しく纏って生きる自分に一体何が言えるだろうと思い、言葉を失いました。 それはとても尊大なことのように思えました。 それでも、何か言えることがあるはずなのです。 新たな魂をこの世に導き入れるきっかけを作った者として、何か言うべきことがあるはずだと思いました。 その言葉を探すことは、この世に生きるということの素晴らしさを改めて認識するための大切な営みとなりました。 しかし、もちろん、誰もが最初は赤子だったのです。 私たちの中にも、そのようにまったきものとして尊い「時」があります。 喩えていうならそれは年輪の中心のようなものです。 私たちは生きるにつれて年輪を増していき、外皮を厚くしていきます。 しかしそれによって過去がなくなるわけではありません。 過去から切り離されるわけではありません。 命が芽生えたばかりの無垢な自分は年輪の中心にしっかりと刻まれています。 私たちはそれを「心」といい、「潜在意識」とも言います。 色々書きましたが、以上がアルバムのご案内です。 なるほどこのような考えによって生まれたのかと知った上で聴いて頂くと、また新たな発見があるかもしれません。 お楽しみ頂ければ...