「今・ここ」か否か
水木しげるは南方に従軍するのにゲーテを持っていったのだという。
これを聞いた時、とても驚いた。
戦地での話を読んでも、やはり普通の人ではない。
いながらにして、別の次元を生きている。
最近、これを引き合いに出すような話をすることが時々あった。
今のことに囚われている時、忙殺されている時、私たちは「そのこと」しか見えなくなる。
視界を外し、心を広げれば、他の可能性やもっと楽な在り方があるというのに、そのことに気付かない。
鳥はいつも鳴いているのに鳥の声が聞こえなくなる。
どうしたらいいのだろう?
答えは、「今・ここ」から離れることではないかと思う。
これはちょっと変な話だ。
というのは「今・ここ」に集中せよ、さすれば、というようなことを日頃よく聞く。
確かにそれも一理ある。
しかしそれが功を奏することもあれば、それが足を引っ張ることもあるのではないかと思う。
水木しげるはどう考えてもラバウルで「今・ここ」にいなかったように思えてならない。
精神は他の所にいたのだ。
だから命も助かったし(腕は失くしたが)、それどころか原住民に気に入られて嫁をやるから永住せよとまで言われ、楽しい思いさえしている。
戦場の恐怖には遠く及ばなくとも、日々の生活の中で「そのこと」だけに視界が覆われてしまうことはよくある。
そんな時、どれだけ自分がそこから離れられるか、離れることによって精神の自由を保てるかということには、〈日頃の準備〉が大いに物を言うと思う。
誰もがゲーテを戦場に持っていけば戦争の絶望や恐怖から距離を取れる訳では当然なく、日頃からゲーテに心惹かれていたからこそ、水木しげるにとってはそれが救済になったのだ。
ではこの文脈で言うゲーテとは何だろう。
それは「役に立たないもの」ではないだろうか。
役に立たないものこそが、翻って心を支える大きな役に立つのだ。
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