マッサージ論〈重さ〉
先日の記事に頂いたコメントにこの場でお答えしよう。
「以前カワベさんにマッサージしてもらった際に、結構力強めに感じたのでセルフの時もガシガシやっていましたが、向き合う時の意識が違ったのですね...勉強になりました。これからは労る心でマッサージしたいと思います!」 確かに「強め」にマッサージをした記憶がある。
実際、時期によって、状況によって、私のマッサージの仕方も一定ではないので、過去の経験と比較して「あれ、言っていることと違うな…」と思われる方もいらっしゃるかもしれないが、その辺り、汲んだ上でお読み頂ければと思う。
〈強さ〉と〈重さ〉は似て非なるものなのだが、しばしば混同しやすい。
私はSさんには〈重く〉マッサージをしたのではないかと記憶している。
受ける側としてはかなりの圧力を感じる、また痛みを覚えることもあるので、〈強く〉マッサージされている気がすると思うが、普通、私はマッサージをする時には〈重さ〉を使っている。
先日の記事で、「自然の圧力だけを利用する」と書いたが、重さのマッサージの時には指先はほとんど使っていない。
体全体の重さ=自然の圧力をかけているのだ。
(勿論、指先だけで行う必要のある時もある。)
Sさんは武道家なので、武道においてもこれに通じることがあることに気付かれると思う。
強い打撃と重い打撃は似ているが別種のものではないだろうか。
強い打撃は筋力で実行可能だと思うが、重い打撃にはむしろ重心のコントロールが求められるはずである。
そして前者は主に腕先に近い部分がよく動くのに対して、後者は肩甲骨から動いているに違いない。
マッサージに話を戻すと、対象を指先で揉むのでつい指先にだけ意識が向いてしまいがちだが、体の奥から力を伝達する――というか体の奥から伝達される力に意識を向けると良いと思う。
考えるヒントにして下さい。
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