でんぐり返し
先日のブログでも言及しましたが、子供の保育園の運動会で、でんぐり返しをすることになったのでした。
子供はとても運動会に参加することを嫌がっていて、当日直前まで、どうしたものかと思っていました。
昭和なら「嫌でもやりなさい」、令和なら「嫌ならいいんじゃない」ですが、どちらもこの場合は良いと思いませんでした。
昭和式だと、この子の拒絶感を更に強くしてしまう気がしましたし、令和式だと貴重な機会を奪ってしまうと思いました。
昭和式と令和式と、どちらが良いとか悪いという話をしたいのではなく、この子の場合、この状況では、ということを鑑みてのことです。
とりあえず、子供は「お母ちゃんに抱っこして、見るだけなら参加しても良い」と言います。
そこで「ではおとうちゃんに抱っこして見るだけにしよう」と言い、
次に「園庭の外ではなく中で、見るだけにしよう」と言い、園庭に入り、
「まあちゃんは走らなくていいから、おとうちゃんが走るのを、おとうちゃんに抱っこされて見ていればいい」と言い、彼を状況の中に引き入れていきました。
とても素晴らしい保育園で、こういうことも許してくれたのです。
障害物競走のようなものでは、子供がしないことが分かりきっていたので、私が代わりにでんぐり返ししました。
その後は、彼を飛行機のポーズで抱っこして運んで、障害物を飛び越えさせました。
あとで隣の子供に「まどかくん、おじいちゃんにひこうきしてもらってずるぅい」と言われましたが…
でもこうして、子供には、どういう形であれ「参加した」という経験が残ったと思います。
これが来年の運動会に繋がってくれればと願っています。
多分、私たちは知らず知らずの内に口ばかり動かしているのです。
「嫌ならやらなくていいよ」も「嫌でも頑張りなさい」も、どちらも口だけです。
昔、「親が自ら体を動かすことなく、口だけを動かすことから、否定が始まる」と、ある賢い人が言っていたのを思い出していました。
つまり、例えば子供が危ないことをしている時、親が自ら体を動かして近くに行って、行動を正しく導いてあげたら良いのです。
しかしそれをせずに「駄目!」とか「危ない!」と口ばかり動かして言う時、その言葉の否定性が、心に食い込むことになるのだと、その人は言っていました。
そんなことを思いながらの、43歳のでんぐり返しでした。https://www.instagram.com/p/C62ZetMPJfU/?img_index=1
拍手喝采でした。
ポッドキャスト第4回『過去を現在に繋げる』を公開しました。
https://podcasters.spotify.com/pod/show/6co0sj2fvo8/episodes/ep-e2k6v5u
コメント
親子でやる競技なのかな?と思っていました。
まどかくんはきっと心強かったでしょう。
また父ちゃんの優しさを自分が親になったときに思い出すことが
あるでしょうね。
我が家の息子は動画を見ながら「やはり指揮者とかアーチストにしか
見えないよ」と言っておりました。笑
コメントありがとうございます。
はい、実はそのようないきさつがありました。
あの動画はついでんぐり返しに目が行ってしまうのですが、まどかの様子を見ていると、拒絶と躊躇が行動に変わっていく過程にちょっと感動するものがあります。親の欲目ですが。
でんぐり返しも華麗にこなすアーティストということで、今後ともよろしくお願いします。