発酵2
Zさんに渡辺和子さんの本をお勧めしました。
今この人の言葉があなたに必要でしょうということで。
Zさんは早速読まれ、深く感銘を受けられたようです。
それに関して交わした会話の要約を書き記します。
本当の深い洞察は安直な答えのないものです。
つまり、「だからこうすればいい」「これが正解」「これが最短ルート」というようなことは言わないものです。
今はそういう本に満ちていますが、それは知性の幼稚化を示す以外の何物でもありません。
全部教えてもらわないと何も分からないふうになってしまっているのです。
そういった教えは例えていうならインスタント食品です。
すぐにその場で食べることが出来ますが、本当の深い味わいには程遠いものです。
それに長期的に見れば、体にも悪いのです。
インスタント食品の需要は多いですが、インスタント食品を有難がって食べる人などいません。
便利だから食べるだけ、そしてその時だけのことなのです。
一方発酵食品というのは多くの場合、発酵させないことには食べられないものや、体が上手に取り入れられないものから出来ています。
糠床なんかがそうです。
「で、私はどうしたらいいのだろう」という問いが後に残されるような知恵こそが本当の知恵なのです。
答えがすぐに出ないから良いのです。
実はそういった〈発酵食品〉は多くの場合、古典の教養をその源としています。
知ったってすぐに役に立たないものが、経年変化して、人生に立ち向かう大きな力になります。
微力ながら、私がこのブログでやたらと先人の言葉を引用するのも、そのためです。こんな話をした夜、Aさんがいらして言うことには「今の自分に足りないもの、古典を読みたい。何か貸してほしい」ということで(上述の話はしていなかったのですが。つまり偶然)、『老子』をお貸ししました。
この読書体験が来週や来月、成果を示すことは絶対にありえません。
しかし10年後や30年後にその影響は出てきます。
発酵の過程を、皆様にも楽しんで頂きたいと思います。
ポッドキャスト『7.相手の身になって』を公開しました。
今週、金土は夏至、満月です。
お申し込みをお待ちしております。
今日もお読み下さりありがとうございました。
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