Aさんへの助言2
「どう反応するか」という話ですが、昨日のお話から続けると、医者が冷酷である(と思われる)ことに対して、その態度を改めるように医者に伝えることも一つの反応ですが、もう一つの反応は、その冷酷さを打ち消す温かさをご家族が発揮されることではないかと思います。
そしてそう努めることが家族にとって必要だからこそ、そのような医者が巡り合わされているのではないかと私は思います。
これまでのお話を伺う限り、どうも医者との縁にあまり恵まれないご様子です。
一回限りのことではなく、繰り返されるパターンは必ず何かを伝えています。
そして常に必ず、改めるべき点は自分自身の内に見つかります。
どうしたらもっと優しくなれるか、寛容になれるか、もっと相手の気持ちを汲めるか、考え、そして実行に移していくことはとても大切です。
昨日、医者と言えども、患者の心を汲める人は少ない、と書きましたが、言うまでもなく医者に限らないことです。
私たち一人一人もまた、家族の他のメンバーの心を汲みきれているでしょうか。
多分、そうではないでしょう。
「どうしてこんなことが分からない」
「なぜその程度のことをしない」
という苛立ちは全て「自分基準」です。
しかし相手にはそれが出来ない何らかの理由があります。
常に努力しないと、私たちはそれを見失ってしまいます。
人間はお互いに非のある生き物同士ですが、無垢な存在である犬に対してさえ、私はその死に際に時として充分に優しくなかったことを思い出して時々胸が痛くなります。
優しくなるには、ただそう心に決めるだけでは充分ではありません。
とても難しいことなのです。
その前提に、思考や感情の速度を落とすこと、苦しんでいる相手のために自分の速度を落とすことは何ら損失にならないことを学ばなくてはいけません。
このような苛立ちは、自分自身に対する損失の感覚から来ることがほとんどだと思います。
コメント