追いかけ、捕まえる喜び
インドア坊やがこの夏は虫取りに夢中になり、親子して汗だくになりながらトンボを追いかけました。
機敏に飛び回るトンボを目で追いながら、虫取り網を振り、運が良ければ捕獲し…こんなことを繰り返している内に、深い所に根ざしている熱中の感覚を思い出した気がしました。
興味の対象を追いかけ、出来るだけ手に入れようとする――これはとりわけ男の子にはほとんど本能的な衝動なのでしょう。
消極的なまどかにも、この夏、火がついたようです。
そして一緒になって追いかける内に、確かにこれは面白い、と感じている自分がいました。
比較すると「気になる…でも、いいか」という大人の自分、そもそもそれ以前に、気にならなくなってしまった大人の自分が、長らく人生を支配してきた事実に気付きます。
これこそがエネルギーの減退であり、人生を退屈にしてしまう何よりの元凶ではないでしょうか。
最近、私は暇さえあれば英語の本を読んでいるのですが、知らない言葉に沢山出会い、その遭遇を楽しんでいます。
これは確かに虫取りに似ているな、なんて思っていた所でした。
覚える必要や効用の有り無しではなく、ただ面白がっている自分がいるのです。
新しい言葉という昆虫を、脳味噌という虫籠に入れるのが楽しいのです。
これは、今現在自分が向かっている、より楽しい人生の一面を端的に示す営みのように思えます。
皆様はいかがでしょうか。
ところで、まどかの虫を触る手はなかなか優しく、まだ完全に器用ではないので時々傷つけてしまうようですが、慎重かつ繊細な触感を持っていることを、私は嬉しく観察しました。
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