18 自己実現
「自分の道」を見つけ出すのは難しい。
それっぽい道、妥当な道、世間一般に周知の道を歩むのは、たやすい。
それだって大変だという人はいるだろうけれど、「大変さ」の次元が違う。
耐えれば良い「大変さ」と、見つけ出さなくてはならない「大変さ」は全くの別物。
そして私は後者にずっと苦しんでいる。
苦しんでいるし、楽しんでもいる。
ヒーラーになるまで何になるか分からなかったが、ヒーラーになっても何になったのか分からず、絵を描いたり音楽を作ったり、その他諸々の、もっと言語化し難い微妙な変化や修正をたえず自分自身に加えてきた。
そして今なお、何だかよく分からない。
自分の人生がどこに向かっているのか。
その何だかよく分からない感覚は、地下から来る。
無意識から上ってくる。
ヒーリングという営みだけでは完成しない自分がいる。
その自分とは、自分がなり得る可能性、潜在性であり、これをユングは「自己」と言った。
この自己なるものは、実現した分しか分からない。確認できない。
ああ、自分はこうだったんだな、と。
それは単に「自分の仕事は何々」という外形的な話ではないのだ。
どういう気持ちで、どんなふうに暮らすのが、自分に秘められた最善の可能性の実現なのかということ。
そういうことを思い暮らす内に、だんだん絵が完成していくように、自分だけの人生の模様が描き出されてくる。
でも、今どの程度まで絵が完成に近付いているのか、それはやっぱり分からない。
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