56 調教されている人々
昨日言及したコンサートなのだが、場所柄、聴衆は高齢者が大半だった。
私が多分、最年少だったのではないかと思う。
演目の間に、カテリーナさんがバンドゥーラの説明をした。
「この楽器には、弦が60何本あります」
「ええええ」
「この楽器は、8キロもあります」
「ええええ」
いや、じゃあ一体あなたがたは何本弦があるとあらかじめ思っていたんだ。
何キロだと思っていたんだ。
この手の人たちは、驚いて下さいと促されると驚く。
勿論、そう促したカテリーナさんが悪いと言っているのではない。
なんという、考えない人たちだろうと呆れたのである。
こういう人たちだから、
「コロナです。怖いですよ」
「ええええ、怖い」
「ワクチンです。打たなきゃですよ」
「ええええ、打たなきゃ」
こうなるのも当たり前の話。
望まれる通りに反応するように調教されているのである。
そして調教されていることを自覚していない。
「望まれている通りに驚きを示さないといけない」
こういうのも、固定観念であり、考え方の癖である。
驚くことなんて、世の中そんなにありゃしない。
「そうなんですか」で済む話を「ええええ」にするから、大したことのない話が大変な話になって、世の中が騒がしくなる。
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