164 先日、雨の下で
先日のこと…
雨の中、子供が泣きわめいていました。
タクシー乗り場の屋根の下。
でも地面はべちょべちょなのに、その子供は這いつくばって泣き続けていました。
3歳くらいの男の子。
お父さんと一緒のようでしたが、お父さんは直立不動で子供には見向きもしません。
気になって、足が止まりました。
あれは本当に父親だろうか、それともそうではなくて、子供は一人ぼっちで迷子なのだろうかと思って、観察していました。
やがて様子から父親であるに違いないことが分かり、私の胸はとても暗くなりました。
誰も見向きもせず通り過ぎていき、同じ乗り場でタクシーを待っている人も、まるで何も聞こえていないし見えていないかのようです。
私は見ていられなくなって近付いていきました。
拒絶されるか怒られるかするだろうかと思いつつ、知らぬふりをして立ち去ることがどうしても出来ませんでした。
子供の前にしゃがんで、話しかけました。
私の子供だったら、知らない人が突然目の前に現れたら警戒して父親の後ろに隠れるだろうに、この子供は逆に私に一瞬心を開くかのようにさえ見えました。
「大丈夫だよ、大丈夫だよ」と私は言って、頭を撫で、背中を撫で、落ち着かせてあげようとしました。
「こいつは癇癪を起こすと駄目なんですよ」と父親は冷たく言いました。
「分かるよ、俺も子供がいるから…」と私は言い、そんな父親を責める気にもなれませんでした。
彼だって、辛いのでしょうから。
やがてタクシーが来て、親子は乗り込んでいきました。
何も出来なかったと思います。
私も去りましたが、それから数分もすると心が砕けたような気持ちになって、傘の下でずいぶんと泣きました。
この出来事は何だろう。
その意味する所を、明日お話しようと思います。
今日もお読み下さいましてありがとうございました。
明日は春分です。
よろしければヒーリングを是非。
コメント