229 「今日は世界でいちばん最悪の日だった!」
運動会は長かった。
最後には子供の心が電池切れを起こして、黒煙を出した。
帰りの車の中で癇癪を起こした。
「今日は世界でいちばん最悪の日だった!」と言った。
この子供心、覚えがある。
こんな時、「でも良かったよ」なんて言われたくない。
求めているのは、そういうことじゃない。
私は息子に言った。
「本当に最悪な日だったな。こんなに最悪な日は俺も見たことがないよ」
「ほんとだよ!」
と子供は言い、しばらくそんなやり取りを繰り返していたら、だんだん声の調子が明るくなってきて
「最高だったよ!」
という言葉が自然と子供の口から出てきた。
機嫌もすっかり良くなった。
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