240 『チ。』2

「本当の世界」が隠蔽されていて、自分は偽の世界に生きていると感じる。
人間精神はその状況に満足できない。
というか、いくらかの人は満足できない。
そこで強く「本当の世界」を求めることになる。

求め方は人それぞれ、時代や状況によりけりで、先日紹介した『ブルーピリオド』では、絵を描くという体験が、主人公にとって「本当の世界」の出来事だった。

眠っている意識は、自分自身の生きている実感が希薄であることを漠然と感じている。
何か違う、何か面白くない、と感じている。
目覚めに向かうにつれて、希薄なその実感は明確になっていく。
そして二度と後戻りはできなくなる。

私たちの人生もまたそういうふうに前に進んでいる。
的は絞られていき、それにつれて苦しくもなるが、同時に現実が鮮明になっていく。
そして人は「生きている」と感じられるようになる。

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