241 無知の知
「自分には分からないことがある。
自分が知っていることが全てではない」
これを知っていることには重要な価値がある。
これをソクラテスは「無知の知」と言った。
先日Aさんと話した。
「その人はとても良い人なのだが、毒親ということをどうしても理解できないらしく」
私は言った。
「つまり自分が知っていることが全てだと思っているので、そういう現実を理解できない、承認できないのでしょう。
良い人であることは確かに良いことだが、それは単にその人にとって悪の道が開かれていなかった結果に過ぎない。
敷かれた悪の道を退けて善の道を歩こうとする方が尊い。
なぜならそこには本人の意志が関わっているからだ」
自分には分からない苦しみの形を「そうなのですか」と受け入れられる度量こそ、知性の産物だと思う。
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