154 繊細から、より繊細へ
繊細さについて、先日書いた。
人の心を繊細と粗雑に分ければ、私は一応、繊細な方だと自認している(時々凄く図太いが)。
でも物事は何でも相対的なものである。
久しぶりに、金子みすゞの詩集を買った。
つい見かけると買ってしまうのでこれで4冊目になるかと思う。
毎回、他には掲載されていなかった新しい作品に出会えるのが嬉しい。
金子みすゞの詩を読むたびに、いつも私は、その繊細さの極地のような心に圧倒される。
『土と草』
母さん知らぬ
草の子を、
なん千万の草の子を、
土はひとりで育てます。
草があおあお
茂ったら、
土はかくれて
しまうのに。
心が洗われる。
羨ましいと思う。
反省する。
そして自分を粗雑だと思う。
私は一度として、土も草も、こんなふうに眺めたことはなかった。
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