５２ 幸せの秘訣、不幸せの秘訣
私は多くの人に、人生の本質において起きている「本当のこと」に気付いてほしいと思っている。
皆、そのことに気付いていない。
人生は無意識という実体の影絵なのに、人生を追いかけている。
見るべき所は内にあるのに、外を見ている。
それでは何も分からない。
何も本質的には変わらない。
でも、どんなに「大切なものは目に見えない」という星の王子様の名言を繰り返しても、その言葉の意味する所を知らなければ念仏にしかならない。
具体的にどこを見て、何をどう解釈し、変更を加えていけばいいのか、その方法を示したいと思って『最後の教え』を書いた。
「総集編は、私が河邉さんを知ってから、何回も教わってきたことであります。
壁にぶち当たるたび、また立ち止まるために、読み返し、読み繰り返していく、日々の暮らしに欠かせないバイブルのようなものだ、と思いました。」
内を見るのは苦しい。
外を見る方が楽だ。
でも、人は波動を高めるために生まれてくる。
それは精神世界という生態系を豊かにするために、人がすべきことなのだが、多くの人はそのことを忘れ、またはそもそも知らず、地上の生における得失や欲望や感情に飲まれ、自分が全体のために生きていることを忘れる。
これが不幸の始まりなのだと思う。
私の考える幸せとは、「入ってくるものと出ていくものが等しい」状態で初めて得られるものである。
つまり人は必ず、全体によって生かされている（でしょう？）、だから全体のために生きる時、入るものと出るものは等しくなり、幸せを得る。
これが当然の結果なのだ。
しかし多くの場合、私も含めて、全体のために生かされながらわたくしの幸せを願う。
だから不幸なのであり、不幸であることは当然の結果なのだ。
人間は、こうではいけないと思う。
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