１４７ 窮地でこそ感謝
発表会前、心の天秤の片方に恐怖が乗っていた。
それと釣り合うためには、昨日書いたことに加えて、もう一つ何か心得が必要だと感じた。
最終的に、この全ての状況を与えてくれる神に対して感謝だな、と思った。
感謝というのものは本当に言うのは易く、行うには難い。
日頃感謝の心で生きていても、眼前に恐怖の予感が来ると、感謝の「か」の字も思い出されず、心の彼方で行方不明になっている。
そのことに気付くと、感謝の心が舞い戻ってきた。
こんな珍しい体験をする機会が与えられたことも、チェロを弾けることも、それを続けてこられたことも、音が聴こえることも、すべて本当に有り難いことなのだ。
これで、心の中の天秤は釣り合ったと感じられた。
本番で、この気付きを忘れずに感謝の心で演奏していたら、楽しかった。
ミスもあるにはあったが、「100点と思える70点」になった。
そして、演奏指導してくれた先生に、「表情が本当に…良かった！」と激賞された。
心に何を抱くかということは、自分を変えるし、人にも届く。
本当に大切なことだと改めて思った。
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